WWDC 2011 感想 Lion, iOS編

WWDCでは、Lion、iOS 5と新しいOSが紹介された。
Lionは一足早く7月にお目にかかれそうだ。

Snow Leopardは、Leopardのマイナーバージョンアップという位置付けでAppleは当初アナウンスしていたけど、結果的には見えない部分で整備という意味よりも次への足が狩りを築く位置づけにいたと思う。そういう意味でも、Lionは、Snow Leopardを継承しつつも、iOSの流れを含む一段と洗練されたOSとして位置付けられて行く事だろう。
MailやiCalなども細かく進化している様だけど、全体的な面で言えばアプリケーションのフルスクリーン表示だったりと、細かい点で改修を感じる。そう言う点では、Snow Leopardよりも、Lionの方がマイナーアップ感はある。ただし、中途半端なマイナーアップではなく、より洗練されたものへとなるマイナーアップだ。NFSv4が使えれる様になったり、Xsanが使える様になったのも嬉しい(Xsanのニーズはコンシューマには無いだろうけど)。この機能が良さそうだ!という感じでは無く、おそらく使い始めると徐々にその効果が染み出て来るOSの様な気がする。
価格という観点から見ても、OSを買うという金額では無い。気軽にソフトを買う様な金額だ。クライアントOSもさる事ながら、サーバOSはもっとビックリする金額だ。Appleにとって、OSビジネスは、大きな柱ではなくなってきているのかもしれない。だからと言って、開発を緩めるという事ではなく、App Storeに優れたアプリを呼び寄せそれによる収益を柱としようとしているのではないだろうか。
だからこそ、魅力的なOSを作り続けるだろうし、多くの人にアプリを使って(買って)もらいたいから、OSを思い切った金額に設定したのでは無いだろうか。これは、iOSの金額設定と戦略に大変似ている。デスクトップという都合上なのか、OSに料金は発生しているが、従来よりはあきらかに、安い。わずかな価格を設定している事は、AppleとしてOS Xに対する責任を価格という形で反映しているのではないかと思う。

一方iOS 5だけど、多少制約のあるデバイスであるが、流石に今時のOSとして作られているだけに、早くも成熟期に入りはじめた感じがする。
何よりも新機能というよりは、従来あった物をより洗練する形へとまとめました、という風に感じている(ある意味Lionと似ている)。iOS 5は、iOSの(ひいてはモバイルの)OSとしては、本来こうあるべきでしょ、というのを具現化しているようにも見える。Notification CenterやReminder、カメラや写真がそうだ。今までも、サードパーティなどによって実現されていたものもある。でも、本来OSの基本機能としてここまで提供してもいいんじゃないの?という感じが見えてくる。また、いよいよ、OTA(Over The Air)によるアップデートがiOS 5以降で実現される(PC Free)。Wi-Fi syncもそうだ。OTA、Wi-Fi syncは望まれていた部分だったけど、iTunesとの結びつきからどうしても実現してこなかった。しかし、iCloudの登場がこれらを実現させたのだろう。おそらく、iOS 4以前でもやろうと思えば出来ただろう。ただし、データをストアする場所、iTunesとの絡みからあえて採用してこなかったのではないだろうか。iCloudの登場でMac(PC)が、一デバイスという位置付けになったことも、これを裏付ける事となっているはずだ。物事をシンプルに出来る様になった時期に投入する、これこそAppleのものづくりの一つのスタイルだ。

個人的には、Reminderに大きな期待がある。ロケーションと連携して、情報をアナウンスしてくれるReminderには、買い物の忘れ物やチェックすべき事柄をついつい忘れる事を減らしてくれるのではと期待してしまう。ただし、ある一定の時間事にロケーションを確認する必要があると思うので、GPSがそれらを処理するとなると、バッテリーの減り方が心配になるけど。
OTA、Wi-Fi syncも当然楽しみにしている部分だ。

今年のWWDCは、本当に中身の濃いWWDCだったと言えるだろう。新製品のアナウンスは確かに無かった。それが物足りないと思うか、これから来る波が大きいと思うか、僕は後者だと思っている。
今年は夏から秋にかけて、色々思いを巡らせる事になりそうです。

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