iPhone 5が消えた訳と5cについて考えてみた

iPhone5cあの喧騒から早くも2週間。一部を除きそこそこ順調に入手出来る状況になっているのを見ると、iPhoneの製造効率と供給スピードが向上している事がわかります。初期の頃はなかなか手に入らないという事もありましたね。

さて、今回からiPhone 5sだけでなくiPhone 5cがラインナップに加わり、iPhone 5cの意義について色々言われてると思います。ずっと噂含めて必要性を問われていた廉価モデルだと言われ、でもやっぱり廉価版じゃないと言われ、iPhone 5はなぜ消えた?と言われ…。そこで色々考えてみました。

以前、廉価版iPhoneは必要なのか?という記事をポストしているが、その中でAppleの事だから単純な廉価版は出さないだろうと僕は記している。事実5cは、5に比べてスペックダウンはされてない。むしろバッテリーの持ちが少し伸びたとか僅かながら機能は向上している。これを廉価版と表現していいものか?
でも、5sと比較する意味はあまりない。5cは、今までで考えれば5のラインナップに位置している製品だからだ。

では、なぜ5じゃなくて、5cなのか?
iPhoneは現在3つのレンジがラインナップとして存在している。

399〜199ドルのハイエンドの製品、99〜199ドルの真ん中、無料プランのモデルだ。

先月まででみると、iPhone 5、iPhone 4S、iPhone 4というラインナップ。
iPhone_models2012

そして今で言えば、iPhone 5s、iPhone 5c、iPhone 4s。
iPhone_models2013
ここで注目してもらいたいのは、無料プランのレンジ(今だとiPhone 4S)。iPhone 4sというのは、2年型落ち(2011年11月14日発売)の製品である。
ここで来年のラインナップを予想してみよう。
従来通りであれば、おそらくiPhone 6(仮名)が出る。そして、今年の事を学ぶならiPhone 5sはiPhone 5cs(仮名)という様な製品に生まれ変わる。
つまりレンジの並びで見ると、iPhone 6(仮名)、iPhone 5cs(仮名)、iPhone 5cとなる。
iPhone_models2014
もう、お気づきだろうか?来年iPhone 5cは1年の型落ちモデルになる。Appleは廉価版iPhoneを作るのではなく、今ある3ラインナップの無料プランのデバイスを底上げするべくiPhone 5cという製品を作ったのだ。iPhoneは欲しいが無料プランで手に入れたい。でも、その無料プランのモデルが1年落ち(iPhone 5c)と言われるのと2年落ち(iPhone 5)と言われるのでは相当意味が違う。そしてミドルレンジも型落ちではなく、新規モデル(たとえ中身的には一年前のスペックだとしても)と言われたら…。スマートフォンを取り巻く流れは今とても高速である。もし、手に入れるデバイスが1年落ちと言われるのと2年落ちと言われるのでは相当魅力が変わってくる。まして携帯の契約には2年縛りがかかるわけで(だから無料プランがあるわけだけど)、契約が満了する2年後を考えると、3年型落ちと言われるのと、4年型落ちと言われるのでは、一段とその1年の差の大きさが変わってくると感じるハズだ。これがiPhone 5cが生まれたわけじゃないかと考えるのです。

とはいえ、iPhone 5cの中身はiPhone 5じゃないか!?そのままでよかったのでは?という声が聞こえてきそうですが、確かにiPhone 5と変わらないですが、わずかにアップグレードしていると思います。iPhone 5と5cの差を比較してみましょう。

iPhone 5c

iPhone 5

プロセッサ Apple A6 Apple A6
メモリ 非公開 非公開
ディスプレイ 4インチ Retina
コントラスト比 800:1 (標準)
最大輝度 500 cd/m2 (標準)
4インチ Retina
コントラスト比 800:1 (標準)
最大輝度 500 cd/m2 (標準)
解像度 1136 x 640 1136 x 640
PPI 326ppi 326ppi
ストレージ 16/32GB 16/32/64GB
背面カメラ 800万画素
F2.4
800万画素

動画撮影

1080p/30fps 撮影
ビデオの手ぶれ補正
ビデオ撮影中に写真を撮影
デジタル3倍ズーム
1080p/30fps 撮影
ビデオの手ぶれ補正
前面カメラ 720p HDビデオ撮影
静止画120万画素
裏面照射型センサー
720p HDビデオ撮影
静止画120万画素
対応ネットワーク

モデルA1532(GSM):
UMTS/HSPA+/DC-HSDPA
(850、900、1700/2100、1900、2100MHz)
GSM/EDGE
(850、900、1800、1900MHz)
LTE
(1、2、3、4、5、8、13、17、19、20、25)

モデルA1532(CDMA):
CDMA EV-DO Rev. AおよびRev. B
(800、1700/2100、1900、2100MHz)
UMTS/HSPA+/DC-HSDPA
(850、900、1700/2100、1900、2100MHz)、
GSM/EDGE
(850、900、1800、1900MHz)、
LTE
(1、2、3、4、5、8、13、17、19、20、25)

モデルA1456:
CDMA EV-DO Rev. AおよびRev. B
(800、1700/2100、1900、2100MHz)
UMTS/HSPA+/DC-HSDPA
(850、900、1700/2100、1900、2100MHz)、
GSM/EDGE
(850、900、1800、1900MHz)、
LTE
(1、2、3、4、5、8、13、17、18、19、20、25、26)

モデルA1507:
UMTS/HSPA+/DC-HSDPA
(850、900、1900、2100MHz)
GSM/EDGE
(850、900、1800、1900MHz)
LTE
(1、2、3、5、7、8、20)

モデル1529:
UMTS/HSPA+/DC-HSDPA
(850、900、1900、2100MHz)
GSM/EDGE
(850、900、1800、1900MHz)
FDD-LTE
(1、2、3、5、7、8、20)
TD-LTE
(38、39、40)

GSM(W-CDMA)で2モデル、
CDMAで1モデル

3モデル共通
UMTS/HSPA+/DC-HSPA
(850、900、1900、2100MHz)

GSMモデル A1428
LTE (バンド4、17)

GSMモデル A1429
LTE (バンド1、3、5)

CDMAモデル A1429
CDMA EV-DO Rev.A およびRev.B
(800、1900、2100MHz)
LTE
(1、3、5、13、25)

国内キャリア au、docomo、SoftBank au、SoftBank
Wi-Fi 802.11a/b/g/n
(11nは2.4/5GHz対応)
802.11a/b/g/n
(11nは2.4/5GHz対応)
Bluetooth 4.0 4.0
位置情報 A-GPS、GLONASS、デジタルコンパス A-GPS、GLONASS、デジタルコンパス
Touch ID

なし なし
カラー グリーン、イエロー、
ブルー、ホワイト、レッド
ブラック、ホワイト
筐体素材 ハードコート・ポリカーボネート アルミ + ガラス
バッテリー 3G通話 10時間
3Gデータ通信 8時間
WiFiデータ通信 10時間
LTEデータ通信 10時間
音楽再生 40時間
動画再生 10時間
連続待受 250時間
3G通話 8時間
3Gデータ通信 8時間
WiFiデータ通信 10時間
LTEデータ通信 8時間
音楽再生 40時間
動画再生 10時間
連続待受 225時間
重量 132g 112g
サイズ 124.4 x 59.2 x 8.97mm 123.8 x 58.6 x 7.6mm
付属品 Apple EarPods with
Remote and Mic
Lightning – USBケーブル
USB電源アダプタ
マニュアル
Apple EarPods with Remote and Mic
Lightning – USBケーブル
USB電源アダプタ
マニュアル

このようにほとんど同じなようで、バッテリー等にわずかな差がある。その変化の分を見ると、今日現在必要な機能に集中している。特に使える周波数の差は大きい。もし、5cが発表されず、5のままだと同じLTEでも使える周波数が異なる事になり、モバイル通信の要である速い通信速度が使えない事になる。でも、5cなら今日現在のテクノロジーの恩恵は受けれるし、来年で考えても十分その速度の恩恵を受けれる。でも、もし5が出続けていたら…。競合するAndroidデバイスは、スペック、金額と様々なモデルが存在している。それらに対抗していくためには、少しでも廉価ラインアップに対しても新しいテクノロジーを供給する必要があって、その結果どのレンジでも戦えるデバイスになるとAppleは考えているのではないでしょうか?もちろん、iPhone 5は今も十分なモデルですが、ちょっと手を加え生まれ変わらせる事で、無料プランモデルの魅了を上げて戦えるモデルにすることが出来る、iPhone 5cが本当の存在意義を出していくのは来年の今頃なんじゃないかと思うのです。

もちろんあくまで推測なので真実はAppleしかわからないのですが…。来年の今頃新しいモデルが出るときに何か気がつくことがあるのかもしれません。

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