Final Cut Pro Xがダメなのではなく

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以前もFinal Cut Pro Xの見方について書きました(あらためてFinal Cut Pro Xを考察する)が、最近もう少し更に違う角度からも気になってきた事がありました。

まだまだ、全部がそうなったわけでは無いですが、多くの撮影から納品までの流れが、”ファイルベース”に移行している最中です。4K/8Kに関してはもうファイルしかなく、テープは一切介在しない世界となっていますよね。
当初FCPXの問題点として指摘されてた箇所は、テープメディアに対してのI/Oが無い事でした。それについては以前の記事で、ファイルを見据えたソフトがFCPXだと書いたので、結果としてその方向に流れが来ているわけです。

では、FCPXの普及を阻んでいるのはなんなのか?

それは、取り扱っている販売業者が少ない事でしょう。
・FCPXの販路がAppStore限定になってしまったので、代理店販売の旨味がない。
・トラブル等があっても、改善等含めてAppleを頼れない。
この辺がネックになっていると考えられます。

言うなれば、現状の問題はFCPXの能力ではない部分の問題が非常に大きいのではないかと考えられるのです。

確かに代理店も商売ですから、利益を考えなくてはなりません。また、売った製品に対するサポートも求められますから、その頼り先(一般的にはメーカーという事になるのでしょう)が無いと困るというのもわかります。

それ以上の理由は無いのではないか?と思うのです。
そして、この数年、販売代理店が他のノンリニア編集ソフトに鞍替えしてしまったが故に、FCPXを使ったソリューション、サポートノウハウが無いという技術力の話になっているのではないかと思われます。FCPXはソフトウェアの価格に反して個人、プロシューマーレベルのソリューションだけでなく、大規模ソリューションにも実はしっかり展開出来ます。そういう事が出来ると思って見てないからだけで、現実的には出来ます。

あらためて冷静にFCPXを見ると、こないだ発売された新しいMacBook Proとの組み合わせで考えれば非常に魅力的なソリューションが考えられます。そして、なかなか後継機が出現しないMacPro(いい加減出して下さい)を含めiMacを使ったデスクトップソリューションも色々なソリューションが考えられます。アプリの制約の問題は致し方なしとしてシステム、パフォーマンスの部分に着目すれば、FCPXはもっと見直されていいと思っています。

最近Appleは、全部をFCPXで閉じるという事に固執してないように思えます。フィニッシングや、その手前でDaVinci ResolveやAutodesk Flameが入るという事を認識していますし、事例等でもそのフローが行われている点にしっかり言及しています。そういう今の映像制作のワークフローの中でFCPXがどうハマっていくのか、そうなるとどう便利になるのか、そういうポイントをしっかり見ている気がします。

何よりもAppleは現状を冷静に見ています。そしてFinal Cut Pro Xは登場してから5年経ちました。この5年で上記にも書きましたが、確実にファイルベースな方向に進んでいます。デジタル一眼動画から押し寄せたファイル素材(放送機材ももちろん同時期より前に一部ファイル化したデバイスは出ていましたが)も、今や多くのプロ用機材がファイルを収録ベースとした機材に置き換わっています。この5年、FCPXはゆっくり確実に進化を続けて、先日10.3にアップデートされました。10.3になってGUIはさらに変化を遂げています。マイナーアップデートではなく、しっかりメジャーアップデートに相応しい変化をしています。それを既存ユーザは無料でアップデート出来るのです。

もう少し、FCPXについて見直しても良いのではないかと思っています。

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