Apple Payが乗り越えていかなくてはいけない課題

Apple Pay sign in Japan.

サービスが開始されたApple Pay。サービス開始後すぐに使ってみた人も多いのではないでしょうか?かく言う僕は既に虜になっている一人です。

使用感に関してはまた、別記事にて書いているのでそちらをご覧頂きたいのですが、わかって来た事があります。Apple Payのマークとともに「Overseas Apple Pay device is not available」という表記や「Suica, ID, QUICPay Only」が出ています。要するに「海外のApple Pay対応デバイスは使えません/スイカ、ID、クイックペイのみ」という事です。

もともと、日本でApple Payが使えるようになったのは、Felica (NFC Type F)が国際規格となったのが、大きなきっかけです。一方、アメリカのApple PayはNFC Type A/Bです。
つまり規格が違うのです。iPhone 7が出た時に散々日本でApple Payを使いたいなら、日本で買えと言われてた事からもわかりますが、米国版iPhone 7を持って来ても使えないんです。

それでいいのか?


クレジットカードを思い返して下さい。日本で発行したクレジットカードが海外で使えないという事は原則無いと思います(対応店舗であれば)。これは、逆も同様で、海外からの旅行者が自国で発行したクレジットカードが使えないという事は無いですよね(同じく対応店舗であれば)。むしろ、クレジットカードは旅行先の現金を持たなくて良いというのがメリットです。
Apple Payが目指したのも、このクレジットカードの思想をiPhoneという携帯デバイスに落とし込む事だったと思います。僕もそれを夢見て、今度旅行行く時は、カードだけでなくiPhoneをかざしてた会計を夢見ました。
実際は、日本のApple Payは、非国際化されたApple Payでした。つまり、日本仕様のApple Payに対応すると海外版iPhoneは使えず、海外がベースの人(主に旅行者)にとっては、自国と同じApple Payのマークがあるのに何故か日本では使えない…。我々が海外に行った時も逆に同じですね。

このままでいいのか?いい訳ないですよね。2020年に向けてを考えても良くありません。

Apple Pay sign in Japan.

NFC Type A/BとFが、同じチップ上に乗ったデバイスは既に結構出ています。つまり、次(orその次)のiPhoneでは、このNFCの使用による弊害を取り除いたiPhoneが出るのでは無いか?という事ですが。既に日本ではType Fがあまりにも流行りすぎたので、流石のAppleでもそれをひっくり返すというのは現実的でないと判断したのでしょう(まぁ、社会基盤としてType FはSuica/Pasmo等に潜り込んでいるので、それをType A/Bにするというのは、あまりにも非現実的ですね)。
では、何故iPhone 7はType Fのみの対応だったのか?それは、まず安全にSuicaやiD、QUICPayがiPhoneと連動し日本社会に溶け込むのを見ていたのではないだろうか?日本はカード会社と銀行の関係が海外と違います。その状況下でApple Payの仕組みと支払い方法をAppleが提供すると一気に混乱すると考えたのではないでしょうか?まずは、Type Fがきちんと運用されるのを見て、その次のフェーズでType A/B/F対応のiPhoneが登場し、海外の決済方法と国内の決済方法が混乱することのない様にするのではないかなと。
また、この1年ないし2年で国内の各決済機関をApple Pay対応させて行くのを優先したのかもしれません。例えばアメックスは未だ非対応です。アメックス利用者が多い(であろう)米国旅行者にしてみれば、何故日本で使えないのだ?となるでしょう。VISAもしかりですね。また、吉野家などのファストフード店では未だに電子決済どころかクレジットカード非対応という店も多く、この辺がもっと電子決済に加速するのを待っているのかもしれません。
もしかしたら、単にType Fが国際規格になるタイミングがiPhone7の製造に対して遅すぎただけかもしれません。設計段階で一先ず、国内版にはType FのNFCチップ積んでおこうという事から来た可能性もゼロじゃないですね。

邪推はさておき、いずれにしても、クレジットカードをApple Payという仕組みの中に落とし込んで、決済の流れもコントロールしようとしているのですから、この日本仕様のままのApple Payでは全くダメなのです。Appleはグローバルスタンダードの決済方法に持ち込もうとするはずですから、Type A/B/Fに対応したワンチップを搭載して、 iPhone一つで国内から海外まで網羅するデバイスへとなるであろう事は必至だと思われます。

あとは、それが次のiPhoneか、はたまたその次のiPhoneなのか。タイミングだけはわかりません。

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