変わらないiPad Air 2 – デジタルデバイスにおけるロングライフデザインとは

iPad Air 2

デジタルデバイスは、新しければ新しい程処理が速く、付加機能が追加されて、そしてスタイリングを変えて過去の製品と差別化を行うというのがほとんどの製品のスタイルである。一方でAppleは、外見はほぼ同じで、中身を変えてくるという事をしており、表面上のスタイリングは、流行とは少し離れたポジションで、製品を展開している。

一方デジタルデバイスではなく、日用品と言われる、古くから長く使われている物もいっぱいある。中でも普遍的な物をロングライフデザインとしてデザイナー、ナガオカケンメイさんは提唱している。

これは、進化と相反する物だから成立するのか?
日進月歩の進化こそ全てなデジタルデバイスでは適用出来ない話か?
その判断は難しいところだろう。

さて、タイトルにもなっているiPad Air 2。僕の愛機である。発売日に購入し、以後ずっと愛用している。海外にも、一緒に旅立っている。
2014年10月16日に発売日されているため、まもなく5年目を迎える事となる。iPad Air 2については以前も記事にしている ( – 珍しく息の長い製品にiPad Air 2 )。

冒頭の一般的なデジタルデバイスの事情から考えると4年落ちのデバイスと言われると、やや不安に思えてくるだろうか?しかし、使っている当人としてみれば、全く違和感を感じる事なく、今でも充分使えるマシンとして、僕の仕事を支えてくれている。
なかなか優秀な相棒である。


Apple Pencilは使えないが、文章を書いたり、メールしたり、ブラウジングしたりという点では必要充分なパフォーマンスを発揮してくれる。
言い方を変えれば4年前のデバイスでも、一般的な作業なら充分問題ないという事だ。
次期 iOS 12 はOS内部を改善してレスポンスが軽量化されると言われている。となると、iPad Air 2は更に軽快に動くという事ではないか。
なんという事だ、まだまだ現役であることをアピールしようというのだ。

ふと思った。
これも一種のロングライフデザインではないかと。
iPad Air 2の形そのものには古さを感じない。それは今もほぼ同じデザインだから。そして、iPad Air 2は実は現行機よりも薄い。
なによりもiPad Air 2もまたiPad Airからデザインを受け継いでいる。
つまりiPadそのもののデザインが今も変化してもいない。

変化してないと言っても表面のスタイリングが古く感じないことは重要だ。
日用品同様、デジタルデバイスも我々の日常の中でちゃんと使えるものでないと意味がない。デバイスが持っている能力を活かしてこそであり、それが出来ないのならそれは、今も使えるものとは言えない。
iPad Air 2は、その観点から見ても、まだまだ我々の生活の中に溶け込みデバイスが持つ能力を発揮してくれる。

何だかんだデジタルデバイスは、進化と時間の戦いだ。
ナガオカケンメイさんが提唱するロングライフデザインは「10年以上継続的に提供されている、広く支持されている商品やサービス」とされている。
そう考えるとiPad Air 2は間も無く5年とまだまだ10年にも満たないどころか、そもそもすでに販売は終了している。
デジタル機器が5年間継続して販売されるケースというのは珍しい。しかし、買ったらあとは陳腐化していく機器(特にタブレットという動きが速いジャンル)の中で見ても凄い長い。という中で、5年前のデバイスが今も現役として使えるというのは驚異的と言えないだろうか。
ナガオカケンメイさんが唱えるロングライフデザイン程の長さは無理だろう。

ただ、昨今これだけ進化の速い業界の中でのこのiPad Air 2の存在感と、これから登場するiOS12、そしてそれが指し示すものは今後のデジタルデバイスのあり方であるかもしれないと考えると、実は重要なことを物語っているのかもしれない。

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