Final Cut Pro X 10.3.4/iMovie 10.1.6 マイナーアップデート

昨日FCPX、iMovie(for macOS)がアップデートされました。バグフィックスと安定性に対する改善のようです。

Final Cut Pro X 10.3.4

  • トリムするためのキーボードショートカットを副ストーリーラインで使用したときの安定性の問題が解決されます
  • 一部の編集操作により余分なオーディオフェードインが作成されることがある問題が修正されます
  • “共有”ダイアログでコーデックの警告が間違って表示されることがある問題が修正されます

iMovie 10.1.6

  • 旧バージョンのiMovieで作成されたライブラリをアップデートするときの安定性が改善されます
  • トランジションの後のクリップの音量が下がることがある問題が修正されます

iOSのiMovieとmacOSのiMovieでプロジェクト共有してFinal Cut Pro Xへ


以前書いた記事では、iOS版iMovieとmacOS版iMovieでプロジェクトが共有出来なくなっている事を書きましたが、現在のバージョンでは、それが出来るようになっています。

手順は以下になります。
1. iOSのiMovieで編集
2. プロジェクトを出力する。”iCloud Drive”を選んで”iMovieプロジェクト”を選んで送信します。
(量によって書き出す時間が変わります)

3. macOS上でiCloud Driveに出力したプロジェクトがある事を確認する。
4. iMovie(macOS)からメニュー ファイル > iMovie iOSプロジェクトを読み込む… からiOSから書き出したiMovieファイル.iMovieMobileファイルを開く
開いたファイルはユーザ > ムービー > iMovie ライブラリ内に移行され、使用された素材も内包されます。
5. Final Cut Pro Xで作業をしたい場合、iMovie上からメニュー ファイル > ムービーをFinal Cut Pro Xへ送信で送る。

以上でiMovie(iOS)側で作業していた内容をiMovie(macOS)側に引き継ぐことが出来ました。
以下、補足です。

  • iOSからmacOSに持っていくにはiCloud Driveでしか移行出来ない(WebDAVで移行させることは不可)
  • 書き出したiOSのiMovieファイルは、macOSのiMOvieファイルとは違いライブラリ型となってはない。バイナリにして容量を軽くしていると思われる。
  • 使用された素材ファイルも.iMovieMobileファイルに内包されて、素材は素材として、一緒に移動していく。
  • Final Cut Pro Xに直接持って行く事は出来ない。一度macOSのiMovieで必ず開いてから、”ムービーをFinal Cut Pro Xへ送信“で送る。
  • 直接Final Cut Pro XにiMovie(iOS)のプロジェクトを持っていてもエラー画面が出てきない。

以上のような注意点がありますが、iPhoneで撮影、iMovie for iOSで仮編集。iCloudを使って素材を送り、iMovie for macOSで開いてからFCPXへ持って行ってフィニッシュ作業をするということが出来ます。

バグフィックス対応したFinal Cut Pro X 10.3.1とiMovie 10.1.4

fcpx_imovie_icon


先日、アップデートされたFinal Cut Pro X 10.3、合わせてiMovieも10.1.3になりましたが、問題を修正したバージョンFCPX 10.3.1と安定性を改善したiMovie 10.1.4がリリースされました。先日バージョンアップしたiMovie 10.1.3の分も含めて変更された箇所は以下の通りです。

Final Cut Pro X
10.3.1
・“言語と地域”システム環境設定がスペイン語に設定されている場合、ビューアでイメージが切り取られる問題を修正
・ライブラリのアップデートに関する問題を修正
・“パラメータをペースト”を使ってクリップ間で色補正をコピーするときの問題を修正

iMovie
10.1.4
・前のバージョンでムービーまたは予告編を共有していたユーザがアップグレードした場合の安定性の問題を解決しました

10.1.3
• MacBook ProでTouch Barがサポートされ、すばやくビデオクリップをムービーに追加したり、それらを使ってピクチャ·イン·ピクチャ、グリーンスクリーン、およびスプリットスクリーンエフェクトを作成したりできます
• Touch Barをタップすることで、ムービーを再生したり、クリップを分割したり、クリップの音量を簡単に調整したりできます
• ハードディスク領域を復元するためにレンダリングファイルの削除が可能になります

iMovie10.1へアップデート

imovie101
imovie

iOS9に対応したiMovieがリリースされて先行で4K編集が出来るようになり、iPhone 6s /6s Plusで4K撮影がお手軽に出来る環境がある中、OS Xで4K編集を行うにはFinal Cut Pro Xしか対応していないという状況が続いていましたが、先日リリースされた新しいiMovieで4Kも対応する様になりました。

新しいiMovieはバージョン10.1です。
アップデート内容は以下の通りです。

  • 対応するMacコンピュータで、圧倒的に美しい4K解像度(3840×2160)でムービーを作成および共有(1)
  • よりリアルでスムーズな動きを実現する1080p HD/60 fpsビデオでムービーを作成および共有
  • iOS用iMovie(バージョン2.2以降)からムービーや予告編を読み込んで、iOSデバイスで編集を始めたムービーをMacで仕上げることが可能に
  • 新しくなったメディア表示で、ライブラリ内のブラウズ時に一度により多くのビデオや写真を表示
  • プロジェクト表示でムービーや予告編を簡単に検索して選択
  • ムービーの編集中にブラウザのタブからタイトル、背景、トランジション、ミュージックにすばやくアクセス
  • ムービーの編集中にブラウザを隠すオプションを追加
  • iOS用iMovieに含まれる10種類のビデオフィルタを追加
  • Retina 5Kディスプレイ搭載のiMacで、ムービーの編集中に4Kビデオをピクセル単位で表示
(1)4Kで書き出すには、4GB以上のRAMを搭載した2011以降のMacが必要です。フル解像度の4Kでの再生は、Retinaディスプレイ搭載のiMac、および4Kディスプレイに接続されたMac Pro(2013以降)でサポートされます。

UIも変化してきましたね。
4KをiMovieで書き出すのには制限がある様ですね。FCPXではこんな制限無いのに。いよいよ、4Kのコンシューマ時代の到来でしょうか。

iMovie 10.0.9がリリース

imovie

以下の2点に対してアップデートされたようです。

• CineFormコーデックを使用してGoPro Studioから書き出されるビデオクリップとの互換性に対処
• YouTubeに送信中にiMovieが突然終了する問題を修正

小さい事かもしれませんが、地道にアップデートを繰り返してくれる事は嬉しいですね。
今回の様にコーデック、フォーマットに依存する様な問題は、プロで無い限りは対処方法を知らない、もしくはそういうツールを持っていない事の方が多いためコンシューマソフトとしてはこういう小さいアップデートは正しい方向だと思います。

iMovieとAVCHDファイル、iMovieで読み込んだ素材について

OS X版iMovieでは、Final Cut Pro X同様にAVCHDファイルを読み込むことが出来ます。
FCPXでのAVCHDの取り扱いについては以前記事にしており(Final Cut Pro XでAVCHDネイティブ編集)、FCPX10.2でも取り扱い方については同じ仕様のようです。

iMovie(10.0.7)ではどうなのか?調べてみました。
するとiMovieもFCPXとほぼ同じ仕様のようです。

1.
iMovieのメニュー ファイル>メディアを読み込む… を選ぶと「読み込むウィンドウ」が開きファイルを読み込みます。

AVCHDファイルが格納されているフォルダは、デスクトップやSDカードなどにある必要があります。独自の深いフォルダ階層に置いてあると読みに行けないようです。

この場合は、iMovieで作業している [ライブラリ]/[イベント名]/Original Media にH.264のmovとして素材がコピーされます。

2.
AVCHD形式で記録されているパッケージを開きmtsファイルを直接iMovie上のイベントにドラッグ&ドロップする。
これだと、mtsファイルとして、ライブラリ内にコピーされます。

いずれの方式でもすぐに編集作業は開始できます。

2の方式はmtsファイル(AVCHD)を直接編集する事になります。直接編集と言っても、iMovieもFCPX同様、オリジナルファイルには手を加えない非破壊編集です。

iMovieが対応しているAVCHDカメラはここのリストをご覧下さい。

iMovieでサポートされているカメラ

FCPXと違う所は、必ず読み込んだ素材が [ライブラリ]/[イベント名]/Original Media にコピーされる事です。FCPXの様に、オリジナルデータはiMovieのライブラリとは別の場所にあり、エイリアスを作る形で読み込む方法は無い様です。この読み込む素材は、AVCHDファイルに限らず、写真や音楽データなどすべての素材が Original Media フォルダ内にコピーされます。

コンシューマー向けソフトなので、その辺は細かく作り込まないで、わかりやすい仕様にしているんだと思います。基本的なファイルの扱い方はFCPXもiMovieも同じであるという事がよくわかりました。

Final Cut Pro X でiMovieのプロジェクトを開く方法

imoveLtitle

iMovie(10.0.7)とFinal Cut Pro X(10.2)の連携について少し調べてみました。
兄弟ソフトの様な関係ですからさっくりFCPX上で開けるのかと思ったのですが、残念ながら開く事が出来ません。
Appleのココのページには開けることが書いてありますが、情報が古い様でFCPX 10.2にはそのメニュー項目は無いようです。

さて、そこでどうするか?

imovieL3
imovieL1

FCPXもiMovieも、プロジェクトファイルとなるライブラリの構造は大枠で共通しています(実際はファイルではなくパッケージになっています)。
iMovieは「.imovielibrary」、FCPXは「.fcpbundle」という拡張子が実はそれぞれのライブラリについています。
それによってそのライブラリがiMovieなのか、FCPXのライブラリなのかを認識しているようです。
なので、まずはこのライブラリをcommand + Iで詳細を開き拡張子を「.fcpbundle」に書き換えます。
書き換えると拡張子を変更する許可を求めてくるので、変更してください。

するとパッケージライブラリのアイコンがiMovieからFCPXのアイコンに変わります。

imovieL5

続いて、control + クリック(もしくは右クリック)からパッケージの内容を表示します。
CurrentVersion.imovieevent」というファイルがイベント直下および、iMovieSequenceフォルダ内の2箇所に見えます。この「CurrentVersion.imovieevent」を「CurrentVersion.fcpevent」に書き換えます。拡張子以下を書き換えています。

以上で、ライブラリがiMovieからFCPXのライブラリに変わり、FCPXで開けるようになりますが、FCPXで開いたとき、ライブラリのアップデートを求めてくるので許可してください。

imovieL2

なお、iMovieのプロジェクトをFCPXで開くときは、以下のことが普段と異なります。

・全てのシーケンスファイル(写真、音楽含む)がライブラリに内包されているので、FCPXで「そのままにする」を選んでいる人には、容量の大きいライブラリに見える。

・iMovieとFCPXで微妙に異なるトランジションはレンダリング出来ない(例えば、ワイプ。FCPXとiMovieで異なる。なお、後述するiMovieから直接FCPXに持って行く場合はFCPXでのトランジションに置き換えられる模様)。

imovieL4

なお、同一機種にFCPXとiMovieが入っていれば、iMovieでライブラリを選んだ状態でメニューからファイルを選ぶと「ムービーを Final Cut Pro に送信」と出てきます。
これによって上記の作業をすることなくFCPXに渡せますが、iMovieが無い環境の場合は、上記の方法で開けるようです。
トランジション周りでFCPXとiMovieでトランジションの扱い(今回のワイプ等)が異なる場合は、完全にFCPX側では再現できないので、iMovieがあれば一度iMovieで開いて渡す方がFCPX上でトランジションを置き換える手間がなくなります。