After Steve

Jobs亡き後が描かれた最新のAppleの内情
The latest inside look at Apple, depicting the company after the death of Jobs.

秘密と言われると余計に気になるのが心情ですよね。Appleは内情を隠すからこそ色々な側面で注目を浴びます。
現社員だけでなく、元社員でも内情はなかなかしゃべってくれません。
どこまでが真実でどこまでが脚色なのか、事象は合っていても、取材者の思い込みでねじられて書かれているのかどうなのか。
我々は、本人達から聞くことは出来ないので、時々漏れてくるエピソードや、出版される書籍を通して、“多分そうなんだろうというAppleの中”を覗く事しか出来ません。
久々、分厚い読み応えのあるApple関連本が出てました。

After Steve / トリップ・ミックル

です。米国で出版されてたのは知っていましたが、翻訳されるのを待っていました。


Apple attracts attention in many aspects because it hides its inner workings.
Not only current employees, but also former employees don’t talk much about their inner workings.
Even if the events are true, it is difficult to know if the story is twisted by the interviewer’s assumptions or not.
Since we cannot hear from the people themselves, we can only peek “inside Apple, which is probably true,” through episodes that leak out from time to time or through books that are published.
It’s been a long time since I read a book about Apple that was worth reading.

After Steve / Tripp Mickle

I knew it had been published in the U.S., but I was waiting for the translation edition.

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Design by Apple in California

The Book "Design by Apple in California".

旧聞ネタですが、Appleから発売されている本”Design by Apple in California”を随分前(ほぼ発売後)に買っていました。

本書に関して僕が多くを語るよりもご本人(そう、Jony Ive)自ら語っているCasa BRUTUSの記事をご覧頂くことが一番このDesign by Apple in Californiaについて理解できるかと思います。
スティーブ・ジョブズに捧ぐ、アップル初デザイン本。ジョナサン・アイブ独占取材
発売と同時に記事になって出ていました。

この本には全てのApple製品が掲載されていて網羅されているわけではありません。彼らがこれはと思った製品が掲載されています。作った人たちが、色々な観点からエポックメイキングと思いこの本に記録されたわけですから、AppleによるBest of Bestとも言えなくもありません。完成まで8年の歳月をかけたようで、その想いたるやMacやiPhone同様さすがApple製品です。また、ただの製品を並べて撮った写真集ではありません。加工中の部材や、強度試験、金属加工を行うドリルなどの姿も収めた写真集となっており、読むと過程が見えて来るのもあり、勉強になります。

Design by Apple in Californiaを紹介しているサイトにもありますが、Jony Ivenによる言葉とともにAppleのデザインオフィスが登場するこのムービーは必見です。
https://youtu.be/CEW4D_CERkE

大変価値ある一冊ですが、お値段もそれなりで、サイズが2種類用意されていて、¥20,800(税別)と¥30,800(税別)となっています。元々デザイン書は高いのですが、それにしても…という声はあるかと思いますが、個人的には価値ある一冊かなと思います。
読んでみると、忘れていたデザインや機能、それにまつわるエピソードを思い出したりと、この本に収蔵されたプロダクトには、やはりそれなりの意味がある事がわかります。また、Appleデザインをまとめて俯瞰して見れるというのは、非常に勉強になります。

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JONY IVE ジョナサン・アイブ 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー

a Book about Jony Ive

書評というと大変おこがましいのだが、「JONY IVE ジョナサン・アイブ 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー 著:リーアンダー・ケイニー 訳:関 美和」を読みました。

発売されてから少し時間も経っているので、書店で見かけた方、買って読まれた方も多いかと思います。まだの方は是非お手にとって読んでみてください。Jobsがらみのこれらの本といえば、いろいろJobs本人を「暴く」感じの本が多かったと思いますが、本書はJony Iveを暴くというよりは、IDg(Industrial Design group)そのものを「暴く」というか「実態を解明する」本として貴重な一冊ではないかと思われますい。Apple Productと言えばJony Iveと見がちですが、全ては彼一人で出来ることではなくチームがあって出来ることです。もちろん、その前にSteve Jobsがいたからこそではあるのですが。

本書の中にはプロトタイプのiPhoneの写真があったりと貴重な資料もあります。Jobs絡みの本はどちらかと言えば、人同士の関係性に集約した方向の内容になりますが、本書が面白いのは、タイトル通りJony Iveに軸を置きながらも、人同士に行くのではなく、プロダクトが出来上がる過程にフォーカスを置いて書かれている事じゃないかと思います。

「デザインのはじめの段階、目標を定めようとする段階では、製品のストーリーについて語り合う。つまり、製品をどう見るかについて話し合うんだ。その製品に何を感じるか、物ではなく感情について話し合う - ジョニー・アイブ」
本書より抜粋

本書を読むとApple製品のひいてはJony Iveのデザインに対する信念が読み取れる。結果それは、改めてApple製品に触れる時に色々な目線をもたらしてくれる。

是非、手にとって読んでほしい一冊です。