Xserveの販売が終了し、Mac ProとMac miniがサーバマシンとして販売されている中、Mac miniモデルは、大中小関わらずそのスペースファクターをいかして活躍する事が可能です。特にサイズが小さいということもあり、活躍の場は多義に渡ってありそうな気がします。
また、自宅で使いたい、使っているという人も多い事でしょう。僕も自宅で使っています。
しかし、Mac miniは元はサーバマシンではないため、ちょっとしたコツが必要です。
ここでは、Mac miniをデスクトップ機としてではなく、サーバとしてのパフォーマンスを発揮するような基本設定をしたいと思います。
1. リモートデスクトップの機能を有効にする
形はクライアントマシンですが、サーバとして使うので常時モニタを繋げる必要はありません。
設定さえ出来れば、必要な時にリモート越しに覗けばいいだけです。
Apple Remote Desktopを持っていなくても、画面共有からアクセス出来るので心配いりません。
システム環境設定 > 共有 > リモートマネージメント
のチェックボックスをチェックして下さい。
リモートでアクセス出来るユーザも限定しましょう。
「次のユーザのみ」の「+」ボタンから利用出来るユーザを登録します。
ユーザがコントロール出来る内容も制御出来るので、チェックします。
Windows、Linuxからアクセスしたい場合、「コンピュータ設定…」からVNCをチェックしてパスワードを入力ましょう。
同じ共有に「画面共有」があります。こちらは、VNCを使ってアクセスすることしか出来ません。
クライアント側のMacからアクセスする場合、画面共有アプリを使うか、Finderメニューの移動 > サーバへ接続…から「vnc://サーバアドレス」と打ち込むとサーバにアクセス出来ます。
2. Bluetoothをオフにしよう。
モニタが繋がってないという事は、予期せぬ事が起きても気付きにくい事になります。ソフトウェア的な問題であれば防ぎにくい事もありますが、物理的問題から来るトラブルは未然に塞いでおけば、つまらないトラブルを減らす事になります。
Bluetooth対応のデバイスに反応してしまわない様に、機能を止めましょう。特にマウスに反応すると、知らぬ間に色々ボタンを押される事になってしまいます。
3. キーボード、マウスを外す
2と同じ理由です。あえてキーボードを繋げる必要はありません。マウスも同様です。スペースの節約にもなりますし、万が一キーボードに物が落ちるなどしてキーボード操作が行われてしまったら…あまりないケースかもしれませんが、想定出来ない事ではありませんね。
4. 使わないネットワークは切る。
有線LANにぶら下げるだけなら無線LANを、無線LANにぶら下げるだけなら有線LANのサービスを切りましょう。使ってないポートから侵入されるのを防ぐ意味でも大事なことです。
5. Apple Remoteを切る。
プレゼンで使用するリモコン。AppleからもApple Remoteとして販売されていますね。AppleTVにも付属されていると思います。このApple Remoteですが、デフォルトだとこれに反応してしまいます。
ボリューム調節だけでなく、ボタンによってはiTunesを起動させてしまいます。
ボリュームといえども、勝手にはいじられたくありません(後述9のサウンドの設定の理由もあるが)。
システム環境設定 > セキュリティとプライバシー の「リモートコントロール赤外線レシーバーを無効にする」をチェックしてください。
6. スクリーンセーバのオフ
モニタは繋げないので、スクリーンセーバを動かす必要がありません。
むしろ、わずかとは言え、CPUに対して余計な負荷をかけないためにも(他の重要な機能にパワーを割り当てるためにも)、スクリーンセーバは停止させましょう。
7. 省電力設定
普通にデスクトップとして使うなら、省電力設定は行うと思いますが(一部のプロの使い方をしないかぎりは)、サーバではいつ、どのユーザにアクセスされるかわかりません。アクセスした時にスリープからの復旧を待っていては、レスポンスの悪いサーバとなってしまいます。省電力設定をオフにするだけでなく、HDDのスリープも同様に解除しておきましょう。
また、万が一停電してしまった場合、それが外出していた場合でも復旧したいものです。システム環境設定 > 省エネルギー 内に「停電後に自動的に起動」という項目があるので、チェックを入れておきましょう。
8. Dock周りの設定
リモートでアクセスした時、Quartzに負荷をかける様な処理が入るとリモートの反応がわるいことが時々起きます。
やはり、ここでもクライアント機ではないため、不必要なエフェクトは停止させたい所です。
システム環境設定 > Dock から拡大機能をオフにして、更にウィンドウをしまう時のエフェクトをスケールエフェクトにしましょう。
9. サウンドの設定
サウンドをOnにする事は意味がなさそうに思いますが、万が一何かの影響で突然再起動がかかることもあるかもしれません。モニタを繋いでいないので、再起動がかかる瞬間を知ることは出来ません。サウンドがOnになっている時に再起動のサウンドを聞いて気づく可能性もあります。
10. サーバ管理のインストール
OS X Lion Serverを使うなら、Server Admin Tools 10.7(リンクは10.7.0のServer Admin Toolsです。使用されている10.7.xに合わせて、Server Admin Toolsが提供されているので、サポートダウンロードから最新版をダウンロードするか、ソフトウェア・アップデートで最新版にしましょう)はインストールしましょう。
コマンドラインで設定することも出来ますが、Server.appでは設定出来ないサービスを設定したり出来ます。
以上が最低限Mac miniをサーバ運用したい時の設定です。Mac Proでも同様の設定と思ってください。
後は、使いたいサービスを設定したり、アプリケーションをインストールしたりして、自分のサーバとして色々構築して楽しいサーバライフを送りましょう!
(追記 2013.1.5)
この記事は10.7 Lion時に作成した記事です。
これをもとにしたMountain Lionの記事はこちらのMac mini serverの基本構築 (Mountain Lion編)もご覧ください。
(追記 2014.1.7)
Mavericks版の基本構築記事も作成しました。こちらのMac mini serverの基本構築 (Mavericks編)をご覧ください。
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