いつの時もOSのアップデートは、長く自分が親しんだソフトが引き続き使えるのかどうかが心配です。まして、開発が終了したソフトなら尚のことで、もう新しいOSに対応したパッチがリリースされる事も無いので、事実上さようならとなります。

今回のターゲットは、Final Cut Studio(2009) (以下FCS)とShakeです。どちらも既に開発は随分前に終わっていながらも、Lion、Mountain Lion、Mavericksと使い続ける事が出来たソフトです。FCSに関して言えば、おなじみFinal Cut Pro Xがリリースされているので、まぁそれはそれでとして、Shakeです。一時期はPhenomenon というコードネームまで流れるほどでしたが、その後待てど暮らせどリリースされない始末。まぁ、Appleの市場と合成ソフトの市場スケールは合わなかったのでしょう。そんな中でも、Shakeは動き続けてくれていました。元々軽いソフトだっただけにハードウェアの進化の恩恵を受けて、更に快適なソフトになっていました。

ここまで書くともう察しがつくでしょうか？残念ながらShakeはOS X Yosemiteでは遂に動かなくなりました。FCSの方にも目を向けると、Motion4.0.3もやはり立ち上がりません。アイコンの上に禁止こアイコンが出ています。一切上がって来ないのです…。大変ショックでした。特にShake。本当にいいソフトで、代替えが効かないソフトでした(厳密にはあるが、コストが合わない)。Shakeの開発が終わり最後のアップデートShake 4.1.1が提供されたPro Apps Updates 2008-005がリリースされたのが2008年12月17日ですから、そこから約6年動き続けてきました。そう考えたらそれはそれで奇跡なのかもしれません。まぁ、別にライセンスを失うわけではないので、HDDをパーティション切ってMavericksを入れてそこで走らせればいいわけですが。

ただ、まだここでは諦めれませんでした。パッケージの中身、実行ファイルそのものはどうなんだ？と思って、Shake.appの中を開けてみます。

/Applications/Shake/shake.app/Contents/MacOS/shake

これをダブルクリックで起動させると、シリアルを入力する画面が出てくるじゃないですか！これはと、期待してシリアルを入れると、あのShakeの画面が！もはや、執念です。遂に来たか？と思ったその時、細かいパーツを表示するところで残念ながら落ちてしまいます…。

Motion4.0.3も同じく

/Applications/Final Cut Studio/Motion.app/Contents/MacOS/Motion

をダブルクリックすると、新規プロジェクトを入力する画面が出てきます。そして、そこでプロジェクトを開けようとすると、残念ながら落ちてしまうのです。

ターミナルを見ると、何やら’CGContextErase’が無いと仰っています…。その都合によってウィンドウの描画が出来ない様ですね…。うーん、厳しい。ウィンドウが描画が出来ないだけかぁ…。

と、そこで思ったのです。Shakeなら…。
やってみました。

$ /Applications/Shake/shake.app/Contents/MacOS/shake -version

ちゃんと答えを返してくれました。コマンドラインツールとしては生きています。GUIを構成出来ないだけで、Shakeのエンジンそのものは生きていたのです。とはいえ、さすがにGUIが無いとちょっと厳しいと言わざるおえないのですが…(ちょっとというか大分と言うべきか)。

まぁ、現実的にはShakeは非常に厳しい状況であるという事でしょう。

一方のMotionですが、このShakeの状況を受けて起動させる事は難しいと思うと同時に、Final Cut Pro 7のタイムラインに並んでいるMotionファイルはどういう扱いになるのか？という事。もしかして、レンダリング出来ない？絵が出ない？等と焦ったのですが、結果はFCP7のタイムライン上でちゃんとレンダリングして再生出来ます。つまり、Shake同様Motionも実行ファイルそのものは無傷だったのです。ただしそのMotionファイルを修正する事は、もう難しいですが、一度作ったものであればFCP7上で再生は出来るようです。最悪の危機は免れましたが、もういい加減諦めて、FCPX及び最新のMotion5.1に移行せよという事でしょう。

まぁ、しょうがないというか、そういう時が来たという事ですね。

あぁぁ…Shakeよ…。