In depth of ProRes 4444 XQ

土曜朝にFinal Cut Pro X 10.1.2と共に突如登場したProRes 4444 XQ。
その可能性、スペックについて少し調べてみました。

改めて、ProRes 4444 XQとは何かをFinal Cut Pro Xのマニュアルから抜粋します。

Apple ProRes 4444 XQ:4:4:4:4 イメージソース(アルファチャンネルを含む)用 Apple ProRes の最高品質版。高速データレートでありながら、最新かつ最高品質のデジタル・イメージ・センサーによって生成される高ダイナミックレンジイメージの詳細を保持します。Apple ProRes 4444 XQ は、Rec.709 イメージのダイナミックレンジより数倍大きなダイナミックレンジを保持しており、トーンスケールの黒またはハイライトが非常に広い、高度な視覚エフェクト処理の厳しい要求にも対応できます。標準の Apple ProRes 4444 と同様に、このコーデックは各イメージチャンネルで最大 12 ビット、アルファチャンネルで最大 16 ビットをサポートします。Apple ProRes 4444 XQ のターゲット・データ・レートは、1920 x 1080 および 29.97 fps の 4:4:4 ソースで約 500 Mbps です。

との事です。

まず、ProResコーデックはあらゆるフレームサイズ(SD、HDのみならず2K、4K、5Kも)に対応しています。
そして今回登場した4444 XQをはじめ、4444、422 HQ、422、422 LT、422 Proxyと6つのファミリーが存在してます。

4444 XQが登場するまでのProResは比較的レガシーな環境下のMacでも動いていましたが、4444 XQは動作環境が変わっています。

・OS X v10.8 Mountain Lion以降でないとサポートしていない様です。

ただし、ProApps Codecs v1.0.5のインストール要件はOS X v10.6以降となっていますが、4444 XQが10.6および10.7で再生出来るのか?書き出し出来るのかわかりません。

prores_bitrate
 

4444 XQは、4444同様アルファチャンネルまでサポートしたコーデックです。422 HQ以下と違い、RGB、Y’CbCrすべての色情報を配列した形でエンコード、デコードします。
4444 XQはより一段と高いビットレートを持ち、4444の約1.5倍です。この約1.5倍の大きさが、よりきめ細かいグレーディングを行っていこうとする時に、色の幅に余裕をもたらしてくれます。

rec709_bt2020

4444 XQはRec.709よりも、さらに広いダイナミックレンジを持つ事が出来ると表記されているように、4Kカメラを意識したコーデックと言えます。なぜなら、4Kカメラは従来のデジタルテレビが標準的に使っているカラースペースRec.709よりも更に大きいカラースペースを持つBT.2020が勧告されています。このダイナミックレンジを包み込むべく用意されたのがProRes 4444 XQではないかと思うのです。4KではRAW収録だけでなく、XAVCフォーマットもありますが、正直XAVCは4:2:0と厳しい。カラーグレーディングを行おうとすると4:2:0では足りないのです。とはいえ、RAWだと重すぎる…。その問いに対する答えがProRes 4444 XQではないかと思うのです。ProRes収録機も各社から発売されています(ProRes認定機器はこちらから)。4K収録が出来るProRes収録機が今後出て来るにあたって、AppleはProRes 4444 XQを用意し、それを幅広く使ってもらう事で、Final Cut Pro Xの優位性も高める事が出来ると判断したいのではないでしょうか?

また、4444 XQは4444同様アルファチャンネルを保持する事が出来ます。アルファチャンネルを保持する事が出来ると言う事は、Motion等のモーショングラフィックスから書き出した素材もFinal Cut Pro X上に持ってきて、FCPX上で重ねる事が出来ます。それによって、カラーグレーディングが下素材と上素材でそれぞれ行う事が出来るだけでなく、個々に用意した素材を場所場所でよりビットレートの高いモーショングラフィックス(グラデーションなどを多様した)を高品質な画質を維持して重ねる事が出来るのです。

早速このProRes 4444 XQを受けてカメラのARRIが4444 XQへの対応をアナウンスしています。
早くも動きが出てきましたね(事前に知らされていたかな…)。SONYもNABでF55にProResを乗せる話が出ていましたが、このF55でも4444 XQは採用されるのでしょうか。

これから広がるであろう、ProRes 4444 XQ。6個になったProResファミリーの上手い使い方が新たな課題になってきそうです。

ProRes 4444 XQが内包されたProApps Codecs v1.0.5がApp Storeからダウンロード出来ますが、こちらダウンロードサイト(ProApps Codecs v1.0.5)からもダウンロード可能です。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください