長い間モデルチェンジが無かったiPad Air 2ですが、昨夕から晩にかけてのApple Storeのメンテナンスが開けると共に、新しいiPadが登場した事が確認されました。 非ProモデルのスタンダードiPadですが、Airというネーミングが外れて再び元の”iPad”という名称に戻ったのが一番印象的な変化でした。
機能の詳細を確認するとこの新しいiPadには、いくつかの製品ポジションとしての難しさに直面している事が伺えます。 ・CPUがA8Xからアップグレードされたが、A9チップであって、A9Xではない。 ・iPad Air 2の厚さ6.1mmから7.5mmへと分厚くなった。 ・同じくiPad Air 2に比べて重さが437gから469gへと重くなっている。 この3つの項目が気になりました。これは、当然同じ9.7インチのiPad Proのスペックが影響しています。 iPad Proは、A9Xチップを搭載し、厚さが6.1mm、重さが437gと、フラッグシップ機としてのスペックを示しており、これを上回る事は許されなかったのでしょう。そういう意味では進んだような、下がったようなちょっとiPadらしさが少し失われた様にも感じてしまいます。この厚さ7.5mm、重さ469gとは、初代iPad Airと同じ仕様になっています。アップデートされないiPad Pro 9.7インチが今回の新しいiPadの壁になったであろう事は想像出来ますし、スペックを部分的に下げた事を考えると、iPad Pro 9.7インチは当面アップデートされないのか?とも思ってしまいます。
一方でカメラの性能、Wi-Fiスピードの能力的にはiPad Air 2と変化ありません。
新しいiPadに比べてiPad Air 2はCPUスペックはちょっと劣りますが、初代iPad Airを触ると厚さ、重さが少し気になってしまう(iPad Air 2を常用しているからだとも思いますが)ので、我がiPad Air 2は登場から2年半(2014年10月16日発売)を超えましたが、まだまだ全然現役で変える理由が無いというのが正直なところです。初代iPad Airを使っている人にとっては、買い替えるか悩んでも良いかもしれないですね(初代iPad Airは2013年10月22日発売)。 新しいiPadは、初代iPad Airと同等な外観を持ちつつ、中身はiPad Air 2をちょっとだけ進化させたモデルとなっています。64GBと丁度サイズ感が良いモデルもなくなり、32GBか128GBとシンプルなラインナップになりました。ここまで削ると逆に容量で迷う事が減るのでラインナップがシンプルになる事は初心者ユーザには良い事だと思います。
Tim Cook体制のAppleになってからは、製品以上の取り組みをAppleは進めていますが、中でも近年力を入れている一つがエネルギー、環境問題です。Appleは比較的早めに再生エネルギーの活用についてのWEBサイトを通じてアピールし、レポートもPDFで配布して来ていました。また、それをApple製品の部品を製造するメーカーにも要求していました。
“Hey Siri, Good morning”で自動的にシェードが上がるところから始まるムービーは、電球が自動でついたり、コーヒーが湧いたり、お出かけとともに家の鍵が閉まり、家に戻ってくるとドアが開いて、電気がついて、映画をみる”It’s movie time”といえば、自動的に部屋が暗くなって、とHomeKitによって出来ることをAppleらしく紹介してくれています。
Jobsが夢見た最後の大仕事Campus2と言われた新しいAppleのオフィスがApple Parkという名称で4月から従業員が入居する準備が整ったとのアナウンスがありました。1000人が収容できるシアターはスティーブ・ジョブズ・シアター(The Steve Jobs Theater)は、メタリックカーボンファイバーの屋根を支えるガラスのシリンダー構造を用いているようです。Tim CookやJony Iveがコメントを寄せていますが、更に珍しいことに、Jobsの奥さんLaurene Powell Jobs(ロレーン)のコメントが掲載されています。
“Steve was exhilarated, and inspired, by the California landscape, by its light and its expansiveness. It was his favorite setting for thought. Apple Park captures his spirit uncannily well,” said Laurene Powell Jobs. “He would have flourished, as the people of Apple surely will, on this luminously designed campus.”
Apple Parkには、一般ユーザも利用できるApple Storeとカフェができる他に、従業員向けに研究施設、スティーブ・ジョブズ・シアター、フィットネスセンターがあり、広大な公園に果樹園、牧草地に池まであるようです。Apple Parkは以前から言われているように、100%の再生可能エネルギーがエネルギー源になり、屋上に設置されたソーラーパネルがエネルギーを作るだけでなく、年9ヶ月暖房や空調が不要になると予測される建物です。
昨年秋にアメリカに行った時に、Apple Store Infinite Loopにも行き、その帰りに建設中のApple Parkも隙間から覗いてみたわけですが、いよいよその姿がお披露目されるわけですね。スティーブ・ジョブズ・シアターが今後のプレスイベントの場となるのではないかと思われますが、記念すべき最初のイベントが何になるのか?それも含めてこのApple Parkの姿、ジョブスのプロダクト、Appleという会社のビジョンを表したような建物、エネルギーという視点でAppleが考えていることなど、まさにAppleを象徴する建物になることは間違いないだろうと思います。
Apple Storeには、売っていないものは置かない。所が、Apple Ginzaに行くと、Mac Pro、Mac mini に着いているモニタはCinema Displayなのである(トップ写真)。Apple自身がAppleブランドで揃える事の意味を飾っている。既に出荷が始まっているLGのモニタを置く事は出来ただろう。なのに、もう買えないCinema Displayである。ちょっと奇妙でもある。 高くてもAppleマークがついたディスプレイが欲しいという声を探しているのだろうか?それとも単に展示場の見栄えの問題か?